2013年3月19日火曜日

私にとっての「手書き」 (後編)

前回、私の仕事における「手書き」と「パソコン(での作業)」の使い分けについて書いてみました。今回は「手紙」という点での、私の手書きについて考えてみたいと思います。

現在誰かと文字のやり取りをする場合、メール(SNSも含めて)を使うのが手軽で一般的になっていると思います。私も毎日、お客様やお得意先様、友人等とメールでのやり取りをしています。
伝えたい(または伝えて欲しい)内容について、早く、そして気軽に送れるので大変便利ですね。


一方で手紙を書く機会も、メールほどの頻度ではありませんが、それなりにあります。
改まった手紙を書くのはほとんどがお客様宛てですが、お得意先様や友人にも送ります。封筒の宛名書きもほぼ手書きです。

メールと手紙、どちらも相手に文字で内容を伝えるものですが、私の中では少し両者の意味合いが異なります。

メールは、日常的な挨拶や連絡事項の伝達ツール。
手紙は、お礼等自分の気持ちを伝える道具。
と考えています。

もちろん、メールで感謝の言葉を伝えないわけではありませんし、手紙に連絡事項を書かないわけでもありません。 あくまでも私が考える、適した役割分担です。


「書は人なり」という言葉があります。
(有名な言葉ですが、実は出典は不明なのだそうです)
これは、書いた文字にはその人の人柄が表れるという意味だと思いますが、私はその人の「気持ち」も表れると思っています。

嬉しい気持ちで書いた手紙、
悲しい気持ちで書いた手紙。
書いたその時の感情によって、微妙に文字は変わる気がします。

メールの場合どんな気持ちで書いたとしても、画面に映し出される文字そのものはいつも変わりません。

文字の表情も読み取れる、というのが手書きの手紙の温かみだと感じています。


誰かに何かを送る際、ただ送るのではなく、手書きで一言添えるだけでちょっとした気持ちが相手に伝わります。 かしこまって便箋に書かずとも、いわゆる一筆箋で十分です。(お礼状等はそういうわけにもいきませんが。。)
私はいつも、受け取った相手の反応を思い浮かべながら、数行程度サラっと書くことにしています。

私が手紙を書くときに使うのは、たいてい万年筆です。
その一番の理由は、単純に私が万年筆を好き、ということになりますが、万年筆で文字を書くということにはいろいろと魅力があると思っています。

そんな万年筆についてのお話は、また回を改めて書いてみたいと思います。

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